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あんな事になったのは自分に責任があるなんて考えるような青年ではない、西は。
彼の著しくページの欠けた心の辞書に、後悔という言葉も感傷という言葉も無かった。
同時に、できるだけの事はしたという自己満足で、自分の心をごまかす要領の良さも持ち合わせていない。
ただサヤカの上に咲いた鮮やかな色の花が何を訴える訳でもなく、ここ最近の彼の目覚めを彩るだけだった。
ベッド代わりのソファから起き上がった西はコーヒーを淹れに行く。
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