35.塀の外の木の下で

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 中から飛び出して来たのは、見た事も無い人だ。 華奢で背の高い若者――パーカーのフードを深く被った白い顔にはサングラスをかけており、雰囲気からしてタダ者ではない威圧感(オーラ)がある。  そのオーラに気圧された柚樹が後ずさると、見知らぬ若者はフードを脱いでサングラスを外す。 脱いだフードから陽光のように輝く豊かな髪が流れ出し、サングラスを外してあらわになった顔を目にした途端、少年の呼吸は止まりそうになった。 ――ママ!!
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