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息が止まりそうになりながら、声にならぬ声で柚樹は叫ぶ。
もうこの世では会えないはずの人が目の前にいるのだ、驚くのも無理はない。
確かに死んだ母親に似ているけれど、よく見れば小柄だった彼女と違い、目の前の女性は背が高く、少女といっていいほど若くて母よりずっとキレイだ。
そう、この子は後ずさりしたくなるほど美しく、駆け寄りたいほど慕わしい。
そんな相反する感情の狭間で立ち尽くす少年に、美しい少女は笑いかける。
辺りを照らし始める朝の光にも負けず、まばゆいぐらいに輝く笑顔で。
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