運命-sadame-

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 何も言い返せない。 『もう遅いし、そろそろ寝た方がいいよ。かかってきた番号、登録してもいい?』 「あの……」 『だめ?』 「そうじゃなくて。私にも翔也の番号、教えてほしい……です」  男性に自分から番号を聞くことは初めてで、緊張で少し声が震えてしまった。 『じゃあ今から言うね』  私はカバンに入れてあるスケジュール帳を取り出す。 「はい」 『080……』  聞いた後、丁寧に確認までしまったことを恥ずかしいと思ったのは、電話を切り終えた後だった。
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