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オフィスで私はひたすらパソコン画面とにらめっこ。
「まだ終わってないのか、南澤」
「すみません」
「いつまでかかってるんだ」
「すぐに終わらせます」
翔也とばったり会ってから、真さんは仕事中、私にきつく当たるようになった。
元々厳しさはあったけれど、前はもう少し私に期待してくれているような言い方だったのに。
今はただイライラをぶつけているだけのような気がする。
「係長、最近なんか機嫌悪くない?」
杏が小声で私に耳打ちをする。
「仕事量多くて大変なんだよ、きっと」
「結梨とはうまくいってるみたいだし、プライベートが原因ではなさそうだからねぇ。仕事終わり毎日会ってるでしょ?」
「まぁ……」
ここ数日、仕事が終わると、いつも真さんは待っている。
私が先に上がれないくらいのたくさんの仕事を押し付けて。
そして毎日、求められる。
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