第2章

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「本題はここから。任務の場所だよ、重要なのは」 「ランドクラブの巣とか?」 「……やっぱり鋭いな」 カレンはうっすらと笑みを浮かべた。殺気のようなものを感じた。 「そう。拠点に配備される前のランドクラブだ。三機が確認されている。多分私が選ばれたのはそういうことなんだろうね。情報の収集と確実に任務を成功されるため。そして僚機に貴方、全く不足は見当たらない」 「なるほど。で、日程は」 「二日後」 「ハードだな」 「最後に戦場に出たのは?」 「二日前だ」 「そりゃハードだ。もしかしてAMS適性はあまり高くない?」 先ほど言ったリンクスに乗るための素質を専門用語では『AMS適性』という。機械と脳を接続する技術を『AMS』というらしい。 「ああ、確か……そんな感じだった気がする」 「貴方はもう少し自分の身体に関心を持った方がいいな。……じゃあ今日はゆっくり休んでくれ。予定では貴方とシミュレート戦闘をしたかったんだが……それなら仕方ないね」 「ちょっと待ってくれ」 カレンが席を立ち、帰ろうとするところを制止する。 「シミュレート戦闘って……ランク戦ってことか?」 「そんな大層なものじゃないさ。非公式だよ。パートナーとなる相手の実力を知りたいだけさ」 「ぜひにやらせてくれないか」 チャンスだと思った。これほどまでのチャンスがあるだろうか。 カラードランク1との対戦なんてなかなかできることじゃない。たいていのシミュレート戦闘は近しいランク同士で行われる。 これは自分がどれだけ上の世界に通用するかを試されているのだ。 「私は構わないけど……大丈夫なのかい?」 「大丈夫だって」 「先ほど自分の身体に関心を持てって言ったばかりなんだれけどな……まあ、貴方がいいならいいか……」 「じゃあ、デニス。先に帰る」 「お前、マジかよ……かないっこねえって」 「やってみなきゃわからんさ」 俺はコーヒーを飲み干して立ち上がる。向かうはシミュレーションルームだ。
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