第1章

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ゆっくりと頭の中に光が入ってくるような感覚がする。そのうちに視界が広がり、俺の体は空に浮く。鳥にでもなった気分だ。 「目標はGAの守備部隊です。複数のノーマルが確認されています。油断しないで」 オペレーターの声が直接脳内に伝わる。少しだけブースターの出力を下げ、静かに落下する。 さあ、始めよう。 レーダーで敵の位置を確認。反応は四つ。ノーマルだろう。さらに目視で確認。主兵装はガトリングか。 一斉にガトリングの弾幕が広がる。その光景はさながら嵐のようだ。 そういえばGA社は昔からこういう類の武器開発が得意だった。このガトリングだって、ノーマル用に調整はされているものの、十分な性能だろう。 だが、それでも足りない。 すでに俺の身体はガトリングの弾幕から外れている。刹那のうちに数十メートルを移動したのだ。 そんなことが人間に可能なのかと、大多数が思うかもしれない。 たとえ、アーマードコアに搭乗していてもそんなことは不可能だ。コックピットに搭載されている緩衝装置でさえこの超スピードには耐えられないだろう。 ではなぜこのような芸当が可能なのか。簡単なことだ。
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