ラウンド1

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中身カスカスの脳みそ。 小太郎はまさにこれだ。 別に、学校の成績が悪いわけじゃない。 良くもないが、中程度の成績は保っている。 が、「考える」ということを小太郎は全くと言っていいほどしない。 知りたくもないのに小太郎がいちいち報告してくるせいで、どこの誰とセックスしたか、俺は大体知っている。 もしかしたら、報告した端から忘れていく小太郎本人より知っているかもしれない。 小太郎の初体験の相手も知っている。 小太郎の背が伸び始めた中3の時だ。 相手は教員実習に来ていた女。 向こうから誘われてのことだったらしい。 『したいって言われたから。Hに興味あったし』 中3の男子の考えなんて、そんなもんだ。 俺はとても羨ましく、そして多少妬ましく思いながらも、小太郎の脱童貞を祝った。 その女とは付き合うこともなく、一度きりのようだった。
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