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「そうそう、そういえば松野くん、なんでそっち4人なのよぉ」
発起人の松野君とやらに、レナちゃんが長い付けまつ毛をワサワサさせながら文句を付ける。
「松野くんが絶対アタマ数合わせろっていうから、こっちも一人ドタキャンされたとこを無理して5人揃えたんだからね?!」
「いやぁー大丈夫!ホント5人だから。実はこっちも急に来れないヤツ出ちゃって、昨日慌てて一人なんとかお願いして来てもらえることになったんだけど……ちょっと遅れてるみたいでさ。
ごめん、さっきから電話してんだけど通じないんだよな……」
松野くんてコはケータイをチラッと見て、気まずそうに笑う。
「今井の穴埋め、誰、誘ったんだよ」
「あ?、、、実は俺の地元の先輩」
「え!?先輩??」
「といっても、ダブってるから同じ2年は2年……だったはず。あれ?3年になったのかな??」
「なんだよそれ?誰よ??」
「いや、違う大学だから、、、よくわかんねぇ人なんだよ」
「何、松野君、知らない人誘ったの?」
「いやいや、そーじゃなくって、俺はよく知ってるけど、こいつらは知らないっていうか……」
「オレは知らない」
「ボクも知らない」
「おれも知らん」
「ていうかー。わたし達もぉ、みなさんのこと全然知らないしぃー♪」
さったんていう子が小首をかしげてカワユらしく言うと、ガタガタしていた空気が一変した。
「そ、そっか、そーだよな!お互い初対面だもんな!!とにかく自己紹介くらいするか」
「そうだな、そのうち来るだろ」
「おぅ、そうするべ!知らない野郎のことより、早く君たちとお知り合いになたぁーい♪」
ラフテー男のキモい発言にかぶせるように、タイミング良く飲み物が運ばれてきた。
バラバラの飲み物が、それぞれの前に間違いなく置かれ、みんなグラスを手に取ると、松野くんてこの発声でようやく
「かんぱーい!!」
となった。
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