サーファー

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「俺達もナマ、もういっちょね?!」 レナちゃんとユウキ君も、空になったジョッキを手に催促する。 お兄さんはイソイソとやってきて、今度は手際良くオーダーを書き留めると、両手で空いたグラスやジョッキをひとまとめにして、またイソイソと去って行った。 そんな中、ふとシュン君がタケルさんのほうを見て、不思議そうに言った。 「ところでタケルさん、酒飲めないんすか?」 「あ、そう言えばそう!」 「ウーロン茶とか聞こえた気がするー!」 タケルさんの前の、薄茶色の飲み物にみんなの視線が集中する。 タケルさんは一瞬、バレたか!という顔をすると、両手でグラスを隠して気まずそうに笑った。 「あーいや実はこの後、ちょっと出かけるんで、車で来ちゃったんだよね?ハハハ!」 「え!?マジすかぁー!?それ、聞いてないっすよぉ!!タケルさん飲まなきゃつまんないじゃないすかー」 ユウキ君の責めるような口調に、タケルさんは悪びれて舌をペロッと出した。 「……まさかこれから海ってんじゃないっすよねぇ??」 「はい、ユウキ、ビンゴーーーーーーー☆」 ユウキ君の追及に、タケルさんはおどけて答えた。 あきれて絶句するユウキ君の横から、さったんが無邪気にはしゃぐ。 「いいなぁーいいなぁー♪海、良いなぁー!!わたしもいきたぁーい♪」 「ハハハーーー!海は良いぞぉー」 それに対して、はぐらかすようにあいまいな答えを返すタケルさん。 「あ。私もいきたーい!」「オレも行きたい!!」「ボクもボクも!」「じゃあ、みんなでタケルさんにこれから連れてってもらおっか!?」「お、それいいね?!」          「え、ちょっと待った」 「オレ、マジでサーフィンやってみたいなと思ってたんだよね?!」「おれもおれも!やっぱカッコ良くなりてー!!! 「や、ちょっと待て」 話の急展開にちょっと慌てるタケルさん。
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