気乗りしない合コン

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気乗りしない合コン

合コン当日、あたしは約束の時間のだいぶ前から集合場所に到着していた。 集合は6時45分。 まず女子だけで、渋谷のファッションビルの地下にある雑貨屋さんに集まり、 7時に道玄坂の沖縄料理店で、男子たちと合流することになっている。 コスメ売り場でサンプルの『唇の色が一番キレイに見える』というリップグロスを塗り直し、『愛らしい天使のような』ベビーピンクのチークを、ポンポンと頬にはたいてみる。 そして『見つめられて胸キュン』のマスカラを、付けるか付けないか迷った時、ケータイのバイブがブゥゥッと小さく唸った。 ゆりえちゃんからのメールだ。 『アヒルー!もう着いてる?悪いんだけど、どっかでカバーソックス買っといてもらえる?? 今日、座敷なんだって!ペディキュアはげちゃっててさー!! あとで払うから、ごめん☆』 ゆりえちゃんは、あたしが専門学校にいたころの同級生。 ていうか、元々レナちゃんとゆりえちゃんとあたしが、たまたま中野にある調理師専門学校で同じクラスになって、たまたま近くの席に座っていて、なんとなく仲良くなった。
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