気乗りしない合コン

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そのうちレナちゃんに、自分のバイトしてるコーヒーショップで人手が足りないから、 『あんたも一緒にバイトしない?』 と誘われて、言われるままに面接を受けに行った。 でもってレナちゃんの紹介だから、即OKってことになったわけ。 しかしながらあたしはその頃、なぜかどーしても朝起きれなくって、学校には遅刻ばっかりしてしまい、授業には付いていけないし、実習にも全然集中できない。 おまけに先生には嫌われるし、どんどん通うのがおっくうになって、授業もついつい休みがちに……。 んで結局、入学して1年経つ前に、あたしはあっさり学校を辞めてしまったのだ。 けど昼にはちゃんと起きられたので、コーヒーショップのバイトだけは、 紹介してくれたレナちゃんの手前もあるしー、 別に辞める理由もなかったしー・・・ ってことで、まだズルズルと続けているという実に情けない状況。 ゆりえちゃんとは、合コンの時以外に個人的に連絡を取り合って遊ぶようなことは無い。 今日の合コンに参加する、他の二人のことは何も知らないし、会ったことも無い。 エスカレーターで二階に移動して、靴下のショップで3足1000円のカバーソックスを3つ選ぶ。 オールレースのもの、足首にリボンのついたもの、シンプルなニットのもの。 ゆりえちゃんがどんな格好で来たとしても、どれか似合うデザインはあると思う。 ……つーか、なんでそんでもってあたしが2足分、余計な買い物しなきゃなんないのよ! と思いつつ、黙ってレジに行って会計を済ませ、店員さんにタグと金具を全部外してもらう。 後ろの会計待ちの女子高生が、あたしの事をウザそうに舌打ちし、店員さんも面倒臭そうに作業する。 恐らくゆりえちゃんは、 『あー悪ぃ悪ぃー!!今、万札しか持ってなくてぇ。飲み会の会計の時に精算するから!』 と言って、そのまま酔っぱらって靴下のことなんて忘れて帰ってしまうに違いない。 (あたしは飲み会の時は、必ず千円札たくさん持っていくけどね) 小さな手付きの袋に入れてもらった靴下を受け取って、あたしはそそくさと店を出た。 暗いため息をついて再びエスカレーターを下っていくと、レナちゃんと、知らない女の子が二人、すでに到着していた。
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