山城霞

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プロローグ 私が憧れていた恋。 恋して、好きな人がいて、 毎日がキラキラで。 「カスミ」って、私に寄り添ってくれて。 私には、もったいないくらいの、 素敵な相手で… でも、もうそんな妄想は嫌だ。 素敵な相手とか、かっこいいとか、 キラキラ。じゃなく、 只々私を愛して欲しい。 ママの優しさが無くなったから。 ママは、男を作って出て行った。 パパだって、ママがいなくなり、 荒れて、中々帰ってこない。 私には、温かいぬくもりが無くなった。 家事とか、一人でやっていると、 ママも大変だったんだなぁ…って。 私、弱いから、直ぐに涙が 流れてしまう。 弱いけど、強がりな私は、 決して人前で泣かないんだ。 ママは、私の前ではにこにこして、 優しかったから。 あの時の、ママの私を凄く悲しい顔で 見つめる感じが苦しかった。 ママの肩には、パパじゃない男の 腕があって、綺麗なママに似合う、 美形な男だった。 ママは、その男に肩を抱かれたまま、 私に背を向けて行ってしまった。 私は、泣きじゃくって、パパにすがっていた。 その光景は、フラッシュバックしてしまう、忘れられていない。
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