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________3日後
ラクスから少しの日本語と、少しの生活常識を教わった。
もともと学ぶことが苦ではない俺は雑学や魔法の知識まで学んだ。
今日は、魔法を使うための魔力の量と属性というものを測る。
属性は1人1つ、得意なものが計測機に現れるそうだ。
火、水、風、土、電気が主な属性。
その他にも色々あるらしいが、それらは稀にしか出現しない。希少属性と言われる。
得意な属性が出るだけなので、よっぽど相性の悪い属性の魔法以外は基本的に使えるらしい。
属性のことでラクスから学んだのはこれだけ。
フリューに言われた魔力量を調整しろということはこれか、と今納得した。
万鞄から短剣を取り出す。
どういった仕組みかは分からないが、鞄に入れたものなら何でも出てくるのだからすごい。
………短剣を出したは良いが、使い方が全くわからない。
首元のネックレスを握り締める。
フリューに聞いてしまおうか。
でも、こんな人が多いギルドでは、いつ誰に聞かれるか分からない。
もう一度短剣を眺める。
魔力量の平均値は年齢に関係なく、約3000~5000の間だという。
3400くらいでいいか……と思った途端に、短剣がぱぁっと光り出して。
『眩し…っ』
目を開けた時には短剣にぶら下がるようにして、銀色の細い腕輪が6個あった。
シャリンシャリンと心地の良い音を響かせるそれは、フリューといたときの心地良さを思い出させるようで。
その腕輪を左手首にはめる。
特に目立って変わったことはないが、言いたいことが言えないときのような、強い違和感をおぼえた。
これが魔力を抑える感覚なのか、と短剣を万鞄にしまいベッドに寝ころがる。
ラクスはまだかな……
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