ギルド

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階段を上ってくる音がする。 重く、間隔が不揃いな足音は、間違いなくラクスのもの。 ベッドから立ち上がり、準備をする。 といっても万鞄に必要なものをいれ、腰に付けるだけだ。 _____ガチャ 「ノア、準備しろ……って、もう終わってんのか。」 準備万端の俺を見て、若干顔を引きつらせつつ諦めたように言うラクス。 いい加減慣れて欲しい。 「うっし、じゃあ行くか。ちゃんと後ろついて来いよ」 そういってスタスタ歩くラクス。 それを小走りで追いかけた。 ___________________________________ ついたのは小さな部屋。中には台が置いてあり、中央に計測機らしい電子プレートが乗っている。 「ここに手をかざして魔力を流す。そーすれば測れるから……って魔力流したことないか?」 その問いに頷く。 今までなんとなくで魔法を使っていた。 フリューだって魔力がどうのこうのと一々説明することもなかった。 「こう……流れろって感じでイケる。」 雑すぎる説明に首を傾げつつ、プレートに手をかざすが 「…………」 「……〈よくわからない〉」 なにも変化はない。 ラクスは何かを考え込んでいる。 とその静寂を打ち破るように、ドアが大きな音を立てて開く。 「マスター!」 「……んぁ?」 マスター? 部屋に飛び込んできたのは、水色の長い髪の綺麗な女性。 優しそうな目元と対照的に声は尖っている。 「ドラゴンの群れが北の森に現れました!人間を襲う恐れがあるので直ちに討伐するように、との王命です!」 「はぁ!?ドラゴンの群れ!?」 〈ドラゴン〉の言葉にパッと顔を向ける。 これが、ドラゴンの討伐依頼なのか…?
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