ギルド

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________遠くで、何か重いものが動く音がした。 『いたっ…!』 嬉しさで思わず言葉が零れる。 「っおい。なんだあれ…?」 耳を押さえたままやってくるラクス。 その問いを無視して、音が聞こえた方向を指で指して教える。 「…なにか聞こえたのか?」 頷きでそれに答える。 ラクスの腕を引き、早く早くと促す。 ラクスは嫌そうな顔をしつつも、少し歩みを早めてくれた。 ___________________________________ 「いた……竜の家族、か…?」 竜が目視で確認できる近さまで近づいた。俺とラクスは茂みに隠れて様子をうかがっている。 「〈いってくる〉」 「はぁ!?」 思わず大きな声を出してしまったラクスは慌てて声を潜め、ドラゴンの様子を伺う。 あー、ばれたな。 「〈場所しられた〉」 「〈はなれたところに移動して〉」 ラクスが頷いたのを確認して、茂みから出て背中に力を集める。 浮遊島と変わりない、あの黒い翼が出現。 それを動かし竜の家族の元へと一直線に飛んで行った。 途中でなぎ倒された木や、抉れた地面から見るに、竜達はこの森から出ようと彷徨っているようだ。 『止まって!』 ほんの数秒で詰めた数百メートルの距離。彼らに叫ぶようにして声をかける。 子供を背に庇うようにして立っているのがきっと母親なのだろう。 驚きながらもこちらに振り向く。 『……誰だ』 『浮遊島からの使いです。あなた達を浮遊島へ導きます。』 『浮遊島…!?何故人間が…?』 信じられなさそうな母親の竜。子供達は陰から様子を興味津々で見ている。
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