平穏

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『ククク……頑張れ、ノア』 後ろでフリューが小さく笑っている。 『フリュー!!』 ノアが声を荒げても、フリューは笑うばかり。 そこに早く遊びたくて仕方がないのか、1人の子竜がノアのことを口に挟む。 『のあ~』 『わかったわかった…遊ぶから!』 『やったぁ!』 『ありがと、のあ!』 口に挟まれていたノアは近くにいた子竜の背中に乗せられる。 『ちゃんとつかまっててね!のあ!』 『ん。頼んだぞ、リン。』 『うん!』 今、ノアを背中に乗せているのは、火竜の子供リン。 そして口で挟んだのが、氷竜の子供ロン。そしてもう1人は、雷竜の子供ラン。 リンは紅い鱗の女の子。 ロンは薄い碧の鱗をもつ男の子。 そしてランは、輝く黄色の鱗を持つ女の子。 みんな元気いっぱいな子竜達だ。 『のあのあ!』 『なにするー?』 フリューの城から出た後すぐに、リンとランが聞いてくる。 『ようろうのたき、いきたーい』 そして、ロンのこの言葉にみんな賛成した。 『養老の滝かぁ……そんじゃ、行くか!』 子竜達はわぁい!とはしゃいで、一気に急降下していく。 『ちょっ!!リン!安全にな!?』 『だいじょーぶー!』 俺が大丈夫じゃない!と心の中でノアは叫んだ。 フリューの城がかなり高地にあったため、養老の滝は下の方になる。 「(ゆっくり行けって付け足せば良かった……!)」 ノアのそんな軽い後悔と共に、元気いっぱいの子竜達はもの凄いスピードで飛んで行った。
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