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『捕縛魔法、グレイプニル』
『わぁ!またかぁ!』
展開した魔法陣から輝く紐が伸び、ロンに絡みつく。一瞬反応が遅れたロンは、右翼と尻尾、右足を紐に縛られた。
『はい、捕まえた』
『うぅー…のあつよいよー』
『ロンはブレス吐いた後に少し動きが止まるから、それは直したほうがいいな。』
パキンと言う割れるような音ともに、グレイプニルが消える。
さすが竜。フェンリルを繋いだと言われる神器、グレイプニルを千切るか……。
『わかったー!』
ロンは元気よく返事をして飛んで行った。
『よし、次は………』
耳を澄ませると、ロンの向かった方とは反対側で羽ばたく音がする。
これは……ランか?
リンはもっと豪快に飛んでいるから、恐らくランだろう。
雷竜のランは遠距離からの攻撃ができる。電撃を飛ばしたり雷を落としたり、電撃のブレスも吐ける。
ロンとは異なり近くに近づいても何もないが、身体を帯電させることができるため厄介だ。
グレイプニルは使えない。
そんな事を考えているとパチッという音と共に、電撃が飛んでくる。
『っ…』
慌てて避けるも左翼を掠めた。
それだけでビリッと大きな電流が体を走る。
遠くでクスクス笑う、ランの声が聞こえた。
『…ラーン!!』
『きゃー!』
ランは高い山の向こう側、ちょうどノアから見えないところにいた。
すぐにそこへ飛んでいく。
途中でいくつもの電撃が飛んでくるが、スピードを緩めずに避けていく。
避けきれない電流は全て、フリューから教わった防御壁を作る魔法で防ぐ。
『のあはやすぎ!』
『ふふふー、だろー?』
そうしてグレイプニルではない捕縛魔法を展開。
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