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『捕縛魔法、孤独の檻』
ランの足元に大きな魔法陣が現れる。
『あっ』
次の瞬間には、黒い光の檻がランを囲んでいた。
檻の壁にぶつかったのか、ランが尻尾をバタバタさせている。
『うぅ……いたい…』
『ごめんごめん…大丈夫か?ラン』
檻を消してランに近づく。
ランの輝く頭に手を当てて、大きな電流が身体を流れるのを気にせず撫でた。
だんだんと痺れが広がり、動かしにくくなったところで電流がピタリと止む。
『のあ、もうだいじょうぶ。』
『…ん。ランは電撃がうまいから、もう少し工夫すればかなりよくなるぞ。』
『うん!がんばるのー!』
ランはロンが飛んで行った方へと飛んで行った。
『あとはリン……』
探そうと辺りを見回したとき、ごうっと炎の塊が飛んでくる。
これは予め予想出来ていたことで、翼をうまく使って避ける。
『リンは俺と戦いたがるんだよなぁー…』
ノアは魔法で黒い光の槍を放つと同時に、翼を広げ大きく接近する。それをリンは翼で起こした風で吹き飛ばす。が、接近したノアに翼を掴まれそうになる。
『のあー!』
ぐるりと一周回ったリン。
翼を掴もうとしていたノアは、リンの翼に強く打ち付けられ吹き飛ばされる。
『っ…リン、強くなったな』
『やった!』
喜ぶリンは、更に炎の塊を飛ばしてくる。それを避けた先にはブレス、と考えながら戦っていることがよくわかる。
遠くでロンとランの声がする。
どうやらの勝負を観戦しているようだ。
『でもリンは単調すぎる。』
『うわっ』
リンの下から潜り込み、背後からグレイプニルを放ち翼を縛る。
リンが振り向く前に反対側へ回り込み、リンの首元へ抱きついた。
『リン、捕まえた』
『うー!また負けたぁ』
グレイプニルを消すと、リン固まった翼を解すようにパタパタ動かしている。
遠くにいたロンとランもこちらに来た。
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