第2章

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 次の日の放課後、清音と瑠璃子は、学校の図書室にあるパソコンで、2人でインターネットのページを覗きこんでいた。そこにはパワーストーンの写真が一覧で並んでいた。 「あ!これ、かなり近い」瑠璃子が写真の一つを指差した。それは、深い青色の金がちりばめられているかのような石だった。  清音が瑠璃子の指差した写真をクリックすると、石の写真が大きくなり、説明文が画面に出た。 「うん。似てる」瑠璃子は自分の左手のひらと画面を見比べて、しっかりとうなずいた。  清音が画面の説明文を目で追いながら口にした。「ラピスラズリ……願いが叶う石……」 「うぉ」清音の隣で画面を覗きこんでいる瑠璃子がうなった。 「ふーん。きれいな石なんだ」 「ん?まぁきれいだけど」瑠璃子はそんな事どうでも良いと言う風だ。 「あ、和名、『瑠璃』だってよ。るぅの名前と同じ字」清音はそう言いながら瑠璃子の顔を見た。 「はぁ?あたしの名前が悪かったのか?…ま、この石だとしてさ、それがなんか役に立つのか?」 「まず、敵を知らないと。ね」清音は石の名前、説明等、ノートに書き留めた。 「うわ、すごい」ノートを覗き込んだ瑠璃子が驚きの声をあげた。ノートには、瑠璃子が今までに願った事と、その代償、叶うまでの時間等が表形式にまとめて書き上げられ、願いを聞いて貰えなかった事もリストアップされていた。「その表、昨日メモってたやつ、まとめたのか?」瑠璃子は目をまるくしている。 「そう、こうやってまとめれば、何か見えて来ないかなぁと思ったんだけど…無茶な事は願っても無駄って事はすぐにわかった。それと、願いが叶うの、結構即効性があるって事も。願ってから叶うまでの時間、本当にすぐにってのもあるし、一番遅い学校閉鎖でもせいぜい半日。正人(まさと)のをどう捉えるかってのはあるけど、テスト中に願いが叶ってると考えるべきよね…クッ」清音はノートの文字を目で追いながら話しつつ、突然笑いだした。「ウハハッ、やっぱり正人の事書いてる時、笑えてきちゃって…アハハッーダメだ、今日もおかしい」清音はすぐに笑いが止まらなくなった。  瑠璃子も清音につられて笑いが込み上げてきて、ウヒャヒャと妙な笑い声をたてた。
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