第2章

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 瑠璃子は、一番気にしているアタックの事を言われて一気に気持ちが滅入ってしまったのだろう、げんなりとした顔つきになった。 「みんな、お前に期待してるんだぞ?あのアタック決定率はすごいって」本間先生は、普段にも増して熱い口調になっている。 「全然すごくねぇーっての!」瑠璃子はイライラした様子で突然声を荒げた。  先生は少なからず驚いた表情をした。さすがの瑠璃子も先生に向かってここまで声を荒げたことはなかった。 「るぅ、怪我でないなら、何なんだ?」先生は、親身な様子でやさしく尋ねた。 「だから……」瑠璃子は自分の左手を見て黙ってしまった。  黙りこんでしまった瑠璃子に困った先生は清音を見た。「清音も何か関係あるのか?何か知ってるのか?」 「知ってますけど、関係はないです。相談にのってるだけです」清音はいつものように冷静に端的に答えた。清音は誰と話す時にもそういう感じはあったが、先生と話す時は特にその傾向が強かった。 「一体、何なんだ?」先生は、少し眉間に皺を寄せ、二人を交互に見た。  清音は、不機嫌そうに自分の手をみつめたまま固まっている瑠璃子を横目で見て、石の事を話し始めた。  清音の話を聞き終えた先生は困惑した顔つきで首を傾げて腕組みをした。こんな突拍子もない話が出てくるとは想像もしていなかったのだろう。「願いが叶う石なぁ……るぅにしか見えないんだな?」先生は瑠璃子を見て、念押しした。  瑠璃子は不機嫌そうに真顔のままうなずいた。 「清音は、この話信じてるんだな?」今度は清音を見て確認した。 「はい。無条件に信じたわけじゃありません。……色々考え合わせると、石があるかどうかは別として、実際るぅの願いが叶ってるとしか考えられないから…だから、信じました」清音は一瞬ためらったが、ノートを出した。「るぅの話をまとめました。見てください」  本間先生は、清音からノートを受取り、目を通した。読み終えると、ノートを机に置き、腕を組んだまま目を閉じて考えこんだ。しばらくして、目を開き、組んでいた腕をほどいて話しだした。 「おまえら、こんな手の込んだ事するなよ。何が不満なんだ?聞いてやるから…」 「だから、この石が問題なんだって!言ってるだろ!」瑠璃子がたまりかねた風に、先生の言葉をさえぎって叫んだ。
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