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「さーや……どうしよう……あたし、今、なんて言った?」
清音はその言葉で何が起こったかピンと来た。「光ったの?」
瑠璃子は小さくうなずいた。「居なくなっちまえ……って言ったよな…」そう呟くと瑠璃子はすがるような目で清音を見た。「どうしよう……」
清音も血の気がひく思いがした。が、『何かあった時はとりあえず冷静に考える』がモットーの清音は努めて冷静に振る舞ったし、実際そう見えた。「それ、キャンセルきかないの?」
「無理、前、学校閉鎖ん時、色々やってはみたけどダメだった」瑠璃子は泣きそうな情けない顔になっている。
「色々って?」清音はそう聞きながら、何か方法は無いか考えていた。
「学校なくなるな!とか、さっきの無し!とか」
って事は、『本マッチョ、居なくなるな』って願ってもダメって事か。
「願いが叶う前に次の願いをしたら、前のがなくなるとか無い?」清音は思いついた事を口にした。
「ぁ!それやってない。さっすがさーや、頭良い!」瑠璃子は目を閉じて左手を握りしめた。「よしっ」
「願った?」
「うん。プリン。ちゃんと光った。…で、これって、待つしかないのか…他にできる事って…」瑠璃子はまた沈んだ。
「…思いつかない。結果待つしかない」
もし、これが効かなかったら、本マッチョ、どうなるんだろう…。
そう思いながら、清音は瑠璃子を見た。
「怖いよ…この石」瑠璃子は左手を見つめながら、本当に泣きだしそうだった。
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