第3章

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 次の日、日曜日、朝っぱらから、瑠璃子が清音の家へやってきた。 「さーや、今日一日、一緒に居ても良いか?」玄関口で清音の顔を見るやいなや瑠璃子はそう言った。 「は?」清音が瑠璃子の顔を見ると、全く瑠璃子らしくない顔をしている。 「ポテチとか、お菓子いっぱいもってきたからさ」瑠璃子はひきつった笑顔を浮かべてスナック菓子でパンパンになっているレジ袋を見せた。 「そういえば、昨日あの後願ったプリンは?」清音はふと思い出して確認した。 「あ、それも持ってきた」瑠璃子は袋の中からプリンを取り出した。「食べる?」 「いや、いらない」清音は代償つきのプリンはやっぱり嫌だと思った。 「そうか…」瑠璃子は沈んだ様子でプリンを袋に戻した。  なんか…仕方無いなぁ。一人じゃ不安なんだろな、きっと。「とにかく、部屋、あがる?」  瑠璃子は、ぱっと明るい表情になって言った。「あがる!」 「瑠璃子ちゃん、いらっしゃい」瑠璃子が中へ入ると清音の母親が嬉しそうに話しかけた。 「おじゃまします」瑠璃子はペコッと頭を下げた。 「ゆっくりしていってね。ここの所、清音、なんだか楽しそうで。瑠璃子ちゃんが仲良くしてくれてるからなのかしら」 「え…」仲良くっていうか…瑠璃子は返事につまった。 「るぅ、いこ」清音は母親を無視して、階段に足をかけながら瑠璃子を促した。  ああ、なんかイラつく。私が楽しそう?…けど、確かに、るぅの石の事調べたり考えたりしてるの面白いと思ってたかもしれないな。
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