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「好きだけど……」清音は袋の中にぽつんと一つだけ入っているプリンをみつめた。「るぅの分は?」清音は探るような目で瑠璃子を見た。
「あたしは、ちょっと……今はいい」瑠璃子は目を逸らして歯切れの悪い返事をした。
ん?何なんだろう?突然やってきて、なんか様子もるぅらしくない。明らかに暗いし…このプリンは?招福堂のプリンは嬉しいけど……なんか賄賂っぽくない?ここのプリンはるぅも大好きなはず。今はいいって、どういう事?
清音はなんだかプリンを食べるのがためらわれ、袋ごと机の上に置いた。
清音はベットに、瑠璃子は勉強机の椅子に、向き合う形で腰掛けると清音が切り出した。「で、何?」何かあるからプリン持ってやって来たのは明らかだ。
「さーや……話、聞いてくれるか?」瑠璃子は顔を清音の方へ突き出して、真剣な目で訴えた。
「へ……話……くらいは聞く……けど」清音は瑠璃子のなんだかわけのわからない迫力に少し引き気味で返事をした。
何なんだろう……なんか深刻な話?ちょっとイヤだけど…な。
「願いが叶う石?」清音は少し首をかしげ、怪訝そうに聞き返した。
「そ」瑠璃子は手のひらを上にして左手を清音の方へ突き出した。
清音は差し出された手を見て、瑠璃子を見つめて、みけんに皺を寄せながら聞いた。「何?」
「やっぱ見えないのかー」瑠璃子は大きく溜め息をついた。
「見えない?もう一回見せて」清音は瑠璃子の左手をぐいっと引っ張り寄せてまじまじと見た。「手は見えるけど。手しか見えない。」清音は見えるままを実況した。
「ここに…あたしの手のひらの上に石があるんだけど…青い石」瑠璃子は力なく説明した。
それを聞いて、清音は瑠璃子の左手のひらに自分の手を重ねた。「見えないし…何の存在も感じない」と、そう言って、瑠璃子を見た。
「これ…私の手が重なってる状態……るぅ的にはどう見えるわけ?手のひらに何か石が見えるんでしょ?」
清音はこういう話を頭から否定するタイプではなかった。瑠璃子はそれを知っていたからこそ、今はあまり仲良くしていないにもかかわらず清音に話しに来たのだ。
「さーやの手と重なってる」
「重なる?」
「石が、さーやの手に半分入り込んでる感じ。母親に見せた時もそうだった。何ふざけてんのって手のひらバシッって叩かれた時、今みたいに重なってた」
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