1人が本棚に入れています
本棚に追加
瑠璃子は納得したのかしてないのか、少しうなずいたように見えた。
「……そんな事よりさ、この石どうにかする方法、なんかない?お願い、さーや様!」瑠璃子は右手を顔の前に立てて清音を拝んだ。
……拝まれてもなぁ。「あ、『石、なくなれ』って願えば?」清音はふと思いついた事を口にした。
「ぉ、それ良い!名案!さすがさーやだ!」瑠璃子は心底嬉しそうな様子だ。
瑠璃子は左手を握りしめて、ギュっと目を閉じた。「石なくなれ。石離れろ。……石、消えろ!石、どっか行け!石、飛んでけ!石、砕けろ!石……くそぉー!」最後は絶叫になっていた。
「ダメだ…きいてくれない…」瑠璃子はガックリと肩を落とした。
清音は首をかしげて尋ねた。「ダメってあるの?わかるんだ?」
「うん。『鳥みたいに飛びたい』とかダメだった。無理なもんは無理らしくて、その時はブーンもないし、光りもしない」
「へぇ、すぐにわかるって事か」
「うん。なぁ、他になんか案無い?」瑠璃子は弱りきった顔をしていた。
「ん…ちょっと本気で考えてみよっか」願いが叶う見えない石なんて、ちょっと面白そう。それに、こんな弱ってるるぅ見てるとちょっと可哀相な気もしてきた。
「あ、このプリンも、もしかして?」清音はさっき貰ったプリンの袋を見て、瑠璃子の様子をうかがった。
「いや、それは普通にお金出して買った」
「あ、そう」だったら良いや。他の人が食べるとどうなるのかわからないけど、代償払ってるプリンなんてなんかイヤだし。
あ、さっき、るぅが、プリン、今はいいって言った理由、はっきりしたな。石に願って5日連続で食べてたからか。
最初のコメントを投稿しよう!