第1章

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 瑠璃子は納得したのかしてないのか、少しうなずいたように見えた。 「……そんな事よりさ、この石どうにかする方法、なんかない?お願い、さーや様!」瑠璃子は右手を顔の前に立てて清音を拝んだ。  ……拝まれてもなぁ。「あ、『石、なくなれ』って願えば?」清音はふと思いついた事を口にした。 「ぉ、それ良い!名案!さすがさーやだ!」瑠璃子は心底嬉しそうな様子だ。  瑠璃子は左手を握りしめて、ギュっと目を閉じた。「石なくなれ。石離れろ。……石、消えろ!石、どっか行け!石、飛んでけ!石、砕けろ!石……くそぉー!」最後は絶叫になっていた。 「ダメだ…きいてくれない…」瑠璃子はガックリと肩を落とした。  清音は首をかしげて尋ねた。「ダメってあるの?わかるんだ?」 「うん。『鳥みたいに飛びたい』とかダメだった。無理なもんは無理らしくて、その時はブーンもないし、光りもしない」 「へぇ、すぐにわかるって事か」 「うん。なぁ、他になんか案無い?」瑠璃子は弱りきった顔をしていた。 「ん…ちょっと本気で考えてみよっか」願いが叶う見えない石なんて、ちょっと面白そう。それに、こんな弱ってるるぅ見てるとちょっと可哀相な気もしてきた。 「あ、このプリンも、もしかして?」清音はさっき貰ったプリンの袋を見て、瑠璃子の様子をうかがった。 「いや、それは普通にお金出して買った」 「あ、そう」だったら良いや。他の人が食べるとどうなるのかわからないけど、代償払ってるプリンなんてなんかイヤだし。  あ、さっき、るぅが、プリン、今はいいって言った理由、はっきりしたな。石に願って5日連続で食べてたからか。
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