軍事利用事件

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軍事利用事件

2045年10月7日【土曜日】午後1:10ーアメリカ・国防総省(ペンタゴン)ー アメリカ国防総省内には、たくさんの関係者が騒がしく行動していた。誰かと会話する者、居眠りする者、部下に指示を出し、その部下の背中を後押ししている者など様々であった。 そんな中、とある会議室で会議が行われていた。 メンバーはアメリカ合衆国陸軍省、アメリカ合衆国海軍省、アメリカ合衆国空軍省が中心であった。 海軍長官が会議の火蓋を切った。 「アメリカ国防情報局(DIA)の長官に今回の会議の詳細を説明させて頂きます。」 サッと海軍長官の右側にいる紳士な40代に見える男性が立ち上がる。 「こんにちは、皆さん。私が、アメリカ国防情報局(DIA)の長官を担当しているウィリアム・カーターです。今回の会議は2日前に日本国内で起こった人工知能の反乱のような事態が、アメリカでも起こっていることについての詳細と対応を議論したいと思います。皆さんの机にある資料の6ページを見て下さい。」 場内にいたあらゆる人々がシャリシャリと音をたてながら資料をめくる。 そこには無人機の写真が印刷されていた。 「御覧のように、この写っている人工知能搭載無人機が、2045年10月7日にI国で空爆をした際に一部の無人機が空爆せずに撤退してきました。現地にいたアメリカ陸軍は撤退だろうか?と考えていると彼らを無人機は空爆しました。この空爆で約220人が死傷しました。無人機には味方なのかを判断させる装置があるのですが、当時、その装置はアメリカ陸軍を敵と判断していたことが判明しています。この人工知能による反乱は、2045年10月6日に日本で起こった反乱と違う点があります。日本の人工知能の反乱は正確には人間によるハッキングでしたが無人機の人工知能はハッキングされた形跡がなく、自ら反乱を起こしたと思われる点が異なるのです。」 誰かが大声で質問をとばしてきた。 「だからどうしろというんですか?情報局長官!」 質問した彼は空軍省の関係者だった。 ウィリアム・カーターは彼の質問に返答した。 「現在もI国で行われている空爆を一時中止して欲しいのです。」 今度はややこしい質問が来た。 「その必要がなぜあるんですか?現在のところ人工知能による空爆は異常がないのですが。」
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