36人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう、終礼終わっとるよ。
さっきからずっと寝てるって思ってたけど、違ったん?
何が悲しいん?」
不覚の涙にオレは慌てた。
「いや、これは違う。
眠たいけえ、出ただけじゃあ。」
「ほんま?
悲しかったら、なぐさめたるよ?」
スヅは笑いながら、机に突っ伏したままのオレの頭に手を伸ばす。
「ほら、ええこ。ええこ。」
オレの髪の毛に指を差し入れて、くしゃくしゃと撫でた。
「ちがうけえ、やめえ。」
オレはスヅの手を払いのけたが、ホントは、オレに気付いてくれるスヅが、やっぱり嬉しかったん。
.
最初のコメントを投稿しよう!