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「もう、終礼終わっとるよ。 さっきからずっと寝てるって思ってたけど、違ったん? 何が悲しいん?」 不覚の涙にオレは慌てた。 「いや、これは違う。 眠たいけえ、出ただけじゃあ。」 「ほんま? 悲しかったら、なぐさめたるよ?」 スヅは笑いながら、机に突っ伏したままのオレの頭に手を伸ばす。 「ほら、ええこ。ええこ。」 オレの髪の毛に指を差し入れて、くしゃくしゃと撫でた。 「ちがうけえ、やめえ。」 オレはスヅの手を払いのけたが、ホントは、オレに気付いてくれるスヅが、やっぱり嬉しかったん。 .
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