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「あんな・・・、りょーちん」
スヅがカバンをゴソゴソしている。
「パラパラ、続き描いたけえ、見て!」
「おう! 今日、いつ見せてくれるんかと思っとったわ!」
ふふふふー、と言って、スヅはパラパラ帳を差し出した。
そこには、鳩やらウサギやら出していた手品師の、最後のトリックが描き足されていた。
何も持って無かったはずの手のひらを開くと、一粒、種子が乗っていたのだ。
「タネっ?!」
オレのヤマシい秘密と重なって、思わず声を出してしまった。
「そうなん! 最後のトリックはタネにしてみたん。手品のタネは秘密やけど、種子(タネ)は出すん。ははっ。」
オレのヤマシさを知らないスヅは、純粋にオレが驚いたと思って機嫌を良くしてる。
「なるほど。ダジャレじゃったんか。ははははっ」
内心、焦り気味で、オレは相槌を打った。
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