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気付くと、もうオレは、スヅの背中に抱きついて掴まえていた。 夢なのにスヅは、生々しくて温かくってリアル。 オレは首筋に顔を寄せた。 歯を立ててやろうとしたら、頬に当たるスヅの首筋の肌が、鳥の生肉みたいに柔かくって艶めかしい。 吸い込まれるような、オカシな気持ちが湧いてくる。 “いや、ホントは、もっとヤサシく・・・ スヅの首筋に・・・” いかんっ。 肝心なところが、むずむず、こそばゆ(くすぐったく)なってきた。 だめじゃっ! 起きんと! 突然、一面の草原に視点が切り換わる。 オレ、たった独り。 「間に合わんかったあ!」 がばっと布団からオレは跳ね起きた。 .
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