4*

4/10
前へ
/69ページ
次へ
「どしたん?考えごと?」 教室でスヅに声をかけられた。 こっちは、現実の世界だ。 今朝、目醒めると、オレは、やっぱり秘密のお洗濯をしなければならない事態になっていた。 しかし、それよりも、あの、夢の最後に出て来た草原で、なんで自分はあんなにコドクだったんだろうと、ずっとそっちに引っかかっていた。 オレ独りしか、あそこにおらんかった。 あまりにも淋しかった。 なんか、 まるで、 なにかイヤな・・・。 「どしたん? りょーちん?」 スヅが心配そうに覗き込んできた。 「ん、なんでもにゃーよ。 それより、オレのパラパラ観てっ! 最後まで行けたけえ!!」 オレは自分のパラパラ帳をスヅに差し出した。 何回も観たことあるくせに、スヅは、最初からパラパラをめくりだした。そうやってオレのパラパラ、楽しんでくれるん。 .
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加