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スヅのパラパラ帳をめくると、昨日、手品師に指し出されていた種子が、今度は土に埋められていた。 「この種子、埋めて貰えたんな。」 「そう、せっかく手に入れた種子だからね。 大事に埋めて、育てることにしたんよ。」 「ふうん。 ・・・ええな。 この種子は。スヅに大事にされて・・・。」 「はははっ! なにようん?(何言ってるの?) りょーちん、馬鹿にセンチなな。」 「んん? ・・・まあな。」 オレがちょっと口籠(くちごも)ったのにスヅは気付いた。 「どうしたん?りょーちん。 さっきからなんかオカシイで?なんかあったん?」 「ん? まあ、ちょっとな・・・。」 「りょーちん、言ってえや。(言ってよ) トモダチやろ? 僕とりょーちんの仲に隠し事はナシにしよ?」 「ん・・・・」 胸がじわあって締め付けられる。 そんなん言われたら、もう、正直に打ち明けてみるしかないが。 .
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