36人が本棚に入れています
本棚に追加
スヅのパラパラ帳をめくると、昨日、手品師に指し出されていた種子が、今度は土に埋められていた。
「この種子、埋めて貰えたんな。」
「そう、せっかく手に入れた種子だからね。
大事に埋めて、育てることにしたんよ。」
「ふうん。
・・・ええな。
この種子は。スヅに大事にされて・・・。」
「はははっ!
なにようん?(何言ってるの?)
りょーちん、馬鹿にセンチなな。」
「んん?
・・・まあな。」
オレがちょっと口籠(くちごも)ったのにスヅは気付いた。
「どうしたん?りょーちん。
さっきからなんかオカシイで?なんかあったん?」
「ん?
まあ、ちょっとな・・・。」
「りょーちん、言ってえや。(言ってよ)
トモダチやろ?
僕とりょーちんの仲に隠し事はナシにしよ?」
「ん・・・・」
胸がじわあって締め付けられる。
そんなん言われたら、もう、正直に打ち明けてみるしかないが。
.
最初のコメントを投稿しよう!