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「あ。」
「あ。」
思わぬところで、天敵現る。
ひとり帰り道、オレは駅裏でさーこと出くわした。コイツ、なんで、こんなとこ歩いてんだか。
あざけるような目をして口火を切ったのは、さーこだった。
「まさか、ビーストが市街に放たれとるとは思わんかったわ。」
「誰がビーストじゃ!」
「ビーストは、早朝ベランダに洗濯物干すんよな?
違うか?」
「うるさいわ。オマエ、女子なんだから、その口のきき方、いい加減にせえや。
てか、なんでオマエ、こんなとこ、おるん?オマエ、この駅、途中下車だろ?」
「ん、お気に入りのコミックの新刊が出たから、書店に立ち寄ったまでのこと。りょーなんか、マチブセせんけえ安心しいや。」
「ふーん、あそ。」
オレは立ち去ろうとした。
「待ち?!
一緒に帰らんのん?」
「は?!帰るかあ?!あほ!」
オレは再び行こうとした。
「一緒に帰らんのん?!
この、か弱い乙女を置き去りにするんか?!」
「はァっ?
どこに乙女がおるんなら?!(いるんだ?!)
オレの目視では確認できんぞ?」
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