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「りょー、
あたしショックじゃわ。
りょーが中高一貫の男子校行くって決まった時、まあ、ちょっとくらいは男子校に染まるんやろーとは思ってたけど、まさか、ここまで染まりきるとは思わんかったわ。」
「・・・なんね?」
「まさか相手が、同級生ってどういうことなんっ?!
ホンマ、信じられんわっ!
しかも、その辺の女子よりカワイイ美少年てっっ!!
寧ろ、ソコがショックじゃわっっっ!!!
あんた、マジ、ビーストなんかっっ?!」
「見てくれのことなんか言っとらんやろ?!」
「うそじゃーっ?!
あんなカワイイ子、滅多おらんよ?!
あんな、お目々、ぱっちりくりくりでさぁぁっ!
男子校って、もっと汗臭くってムッさい(むさ苦しい)のを想像しとったけど、あんな、一輪の白薔薇も咲いとるんやあ?!!」
なんだか知らんけど、オレはだんだんイラついてきた。
「そんなん知らんわっ!!
じゃけ、見たくれとかじゃないって、言っとるじゃろ?!
スヅは・・・、オレとスヅはそんなんじゃないんよ!
オレは、スヅの見たくれとかじゃないところがスキなん!!
・・・・オレも十分苦しんどるんだから、茶化さんでくれえや。これ以上責められると・・・、
オレ、
・・・・・・・・・ツラいわ。」
ヤケになって大声だしたが、尻窄(しりすぼ)みに声に力が無くなっていった。
意外にもさーこが余計なことを言わないで、オレの顔をじっと覗きこんでいた。少し驚いたが、いつになく、親身になってくれた時の表情をしている。
「りょー、
・・・・苦しん?」
「・・・ん。」
「・・・そか。」
さーこも静かになった。
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