5*

8/8
前へ
/69ページ
次へ
オレは低い小さな声で白状した。 「あんな、オレ・・・、 夢にスヅが出てくるん。 そしたら、オマエに目撃された通り、お洗濯するコトになってしまうんよ・・・。 なんでだか知らん。 オレもホントは嫌なん。 そんななっとるって、スヅに言えんじゃろ? やましいけえ、嫌なん。 ・・・・・・・結構、苦しんどる。」 「・・・そうか。」 「・・・初恋なん。」 さーこはしばらく喋らんかったけど、やがて静かな声で言った。 「・・・・・・・そか。 ソレ、女子のあたしには、よお分ってあげられんコトとは思っとるけど・・・、 男子は男子で、なんか、タイヘンなんね。 覚えとくわ。」 「ん。・・・そうな。覚えといて。」 「あとな・・・、 あんたの初恋はあたしじゃろ?年長さんと小2、2回も告っておいて、勝手に削除せんといてな。」 「・・・ハイハイ。」 オレとさーことは家路へ向かう電車に乗ろうと、黙って歩きだした。 .
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加