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「りょーちん、聞いとき! ビックリじゃけえ!!」 「ホンマ、信じられんのよっ!!」 そして、 一番エゲツない笑いをしたヤツが言い放った。 「あんなあ、コイツなあ・・・ オトコとチューしょーたんでえっっっ!!!」 「はアッッ?!!!」 オレは、ホンキで驚いた。 目を背けて恐れていたことが現実になった気がした。 すると、スヅはオレの空気まで読み取ったんか、ますます、うわああああって、大声で叫んで机に伏せると、自分の腕の下に頭を潜らせ、精一杯、自分を守った。 その細い背中が、がくがくと震えていた。机を挟んで向かい合わせに座っていたオレは、咄嗟に、腕を伸ばして、スヅの背中にがばっと覆いかぶさって隠した。 誰にも、そんな弱いスヅを見せたくなかった。 「もう、ええけえ! そんなん、言わんでくれ!」 オレは叫んだ。 .
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