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「さ、さあ?
洗濯干しの、オテツダイ・・・とか?
オレ、ええコじゃけ・・・。」
「はあ?
泥だらけで帰ってきて、靴下どこでも脱ぎ捨てて、何でもその辺にぽんぽん散らかす、あの、汚くて粗雑なりょーが、
お洗濯う?」
「ひでぇ言い方しよるな・・・」
「この間も、『りょー、片付けしーや!!』って、りょーママの声が表まで響いとったが。」
「ああ。あのヒステリーは気にせんといて。おかんの更年期は一家で解決や。」
「待ちっ! 今、誤魔化しとるな?
・・・なんか、アヤシい。」
「・・・は?」
さーこは黙ってオレの顔をまじまじと観察しとる。
「・・・・・・・」
「・・・な、なんよ・・・?」
さーこの、この間ぁがコワい。
目は見られんようにしよ。
「ね、あたし、ちょっと知っとるんよ。
保体で習った、アレやろ?」にや。
「っ!」
思わず、ばっと、さーこのカオを見てしまった。
「カマかけたら、これや。」
したり顔してる。
「なっ、なっ、
そんなん、おトシゴロの女子の言うことではナイわっ!」
慌てるオレに、さーこはすずしげに言った。
「ま、女子の方が、肉体的にも精神的にも成長が早いんよ。」
女子とは、オソロシいのお。
「オ、オレだって、いろいろあるんじゃ!
言わすなっ!」
そう、叫んでみたが、こっちに勝ち目は無かった。
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