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しばらくして、何気なく見た生物図鑑でウミウシの区分を知った。
ウミウシは生物学的な分類群と一対一対応したものではなく、分類そのものが未だ流動的である。
どうやら海が言っていたのはこの事だったのだと今は思う。いるけどいない。いないけどいる。まるで雲をつかむ様な彼女の雰囲気は、いくらか、彼女自身のそういった消えていく今を可視したもの言いから来ていたのかもしれない。
とはいえ、今の僕にはもうどうする事も出来ない事だった。
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