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数年後......
「えぇーまた水族館!?」
僕にはまた新しい彼女が出来た。職場の後輩で、告白は彼女からだった。僕が好んでデートコースにあの水族館を取り入れる事を彼女はよく思ってはいない。
「付き合うとき一緒にいられればいいって言ってなかった?」
「うーん、言ったけどさぁ」
あからさまに不満気な表情でそう言う彼女は引き目にも可愛いらしい女性ではある。
「貴方の一番になるっ......とも言ってたよね?」
「だって、信二さん頑ななんだもん」
少し落ち込んだ様に言う彼女を見て、少し意地が悪かったと反省する。
「ごめんごめん。確かに僕にとって一番好きな人は今も君じゃないよ。けど、僕は例え君と別れても、君を二番目に好きな人のままでいれると思うよ」
「ぅうーん、考えようの問題なのかしら?」
「さぁ、僕にも分からないけど、僕は海と出会えた事も、君と今付き合ってることも全部大事にしたいと思うんだ……もし、また会えたなら君も仲良くなれると思うよ」
「恋敵でも?」
「恋敵でも!」
僕は今も海が好きだ。今、彼女がどこにいるかなんて分からないけど、それでも構わない。たとえ一生会えなくても......僕は彼女と出会えたことを、一番大好きな彼女と出会えたことを絶対になかったことにだけはしないと、そう強く決めていた。
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