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随分そそる子じゃねぇか、と俺はユーキ君を再度観察する。
ふーん……半々ってとこかね?
「まぁ半分なのは本当」
期待値。
「こっからは――本気」
百に、してやる。
ゆっくりと上半身を被せて影を作る。
眼鏡が、かちり、と鳴った。
「男が部屋に呼ぶなんて一つだろ?」
「……まぁ、そっすね」
「言っとくけど、誰にでもしねぇぞ?」
見せてたまるか。
俺自身を見せるなんて。
「……そうなんすか?」
疑惑の目に、ぞくり、としたものを感じた。
「ふっ、まぁ信じなくていい。ついでにノンケ」
俺は男を相手にした事はない。
一度もだ。
ここで俺は初めて自問自答する。
俺は、ユーキ君に何を想った?
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