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「いや、そういうわけには――」
何を言い出すのやら。
そのつもりで誘いにノって、ノらせてきたくせに。
俺はユーキ君の首に指と手のひらを滑らせる。
そして軽く顎を上げてみた。
「――ん?」
その続きをどうぞ、と薄く笑ってみせた。
そろそろ……俺にも期待させてくれ。
「……ずりぃ」
「はっ! 知ってる」
可愛いなぁ、おい。
「すげぇそそる」
じゃないとそろそろこっちの我慢がききそうにない。
「――本気って、怖いだろ? そんで――」
――寂しいだろ、と俺は言った。
これはユーキ君に向けてか、自分に向けてか。
ただ、合わせている目が離せない。
それで、十分……じゃない。
もっと、もっと、と俺は思ってしまっていた。
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