担当さんと友達くん

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 ――俺は嘘をつくのが上手いと思う。 ただ、それを解くのが好きだったりして。 ――――  本日の業務は多分終わり。 今日は随分早く帰れるな、と俺は時計を確認しながら歩く。 こんな日は早く帰って寝るに限る――んだけど、夕飯どうするか。 自炊も嫌いじゃないけれど、めんどくさい。  あー……疲れ、た。  と、その時、大通りの横断歩道を渡ろうとしていた俺は隣の人と肩がぶつかってしまった。 同じくらいの身長で目が合う。 「――あ、すいません」 「いえ、こちらこそ――あれ?」  ん? 俺とどっかで……ああ。凄く久しぶりだ。 「――ども。えーと、ヘース――じゃなくて、三咲花汰の担当の――」 「――はい、楠木です」 「あなたは、えー……確か柳井さん、でしたっけ」
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