担当さんと友達くん

3/16
前へ
/16ページ
次へ
「はい。あの時以来ですね」  あの時、とは俺が担当する三咲さんが倒れた時の事だ。 家政婦――家政夫を押しやったからもう心配はないと思う。 と、柳井さんの様子が少し気になった。 俯いていて、唇が切れてる。  ……これはちょっと面白いかも? 「――何かあった顏してますねぇ」  思わず、にやり、としてしまった。 仕事用の顏とそうではない顏が混ざってしまったようで。  いかんいかん……もうちょっと、我慢。  しかし柳井さんも俺と同じように目が悪いようで、それにこんな感じだったっけか、少し観察する。 三咲さんの友人だからいくつか年下。 また、違ったタイプ。 「まぁ、色々――」 「――三咲さんと、ですね」  よくは知らない。 けれど接点はそれだけ。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加