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「はい。あの時以来ですね」
あの時、とは俺が担当する三咲さんが倒れた時の事だ。
家政婦――家政夫を押しやったからもう心配はないと思う。
と、柳井さんの様子が少し気になった。
俯いていて、唇が切れてる。
……これはちょっと面白いかも?
「――何かあった顏してますねぇ」
思わず、にやり、としてしまった。
仕事用の顏とそうではない顏が混ざってしまったようで。
いかんいかん……もうちょっと、我慢。
しかし柳井さんも俺と同じように目が悪いようで、それにこんな感じだったっけか、少し観察する。
三咲さんの友人だからいくつか年下。
また、違ったタイプ。
「まぁ、色々――」
「――三咲さんと、ですね」
よくは知らない。
けれど接点はそれだけ。
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