担当さんと友達くん

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「ふっ、あんま驚かないんすね」  驚いてはいる。 まさかそっちとは。 でもまぁ、三咲さんはこう言っちゃなんだけれど可愛い部類。 その気は全くない上でのオフレコ。 「いやいや、結構驚いてますよぉ。むしろ何人もの女性をはべらせてそーな感じ?」  これは第一印象のまんま。 表の顏からの想像。 「ははっ! トールさん結構酔ってませんか? すげぇばっさり!」  あ、今の顏は結構いい顏。 話し切ってすっきりでもしたのか。  俺は最後の酒をユーキ君のお猪口に注ぐ。 さて、どうしようか。  もうちょっと言ってみようか――。 「――楽でもそれじゃ楽しくない」 「は?」 「本当は一途なくせして」  まだ、ユーキ君の顏には迷いがあった。 いや、迷いっていう言い方はあれか。 んー……まだ、今すぐじゃなくていいのに、っていうやつか。
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