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寂しい色が、まだ顏に残ってるくせに。
「いい事です。逆に俺はユーキさんみたいに誰かを一所懸命に愛した事はない」
……おーい、今のはマジで言ったのに酒吹きそうになるのはどういう事だ? ま、ちょっと臭かったか。
「酔っ払いの戯言だと思ってんならそれでいいと思いますけどぉ。ま、羨ましいですよ、本当に」
ああ、酒が美味い。
今のは本音、本当の事。
今までの恋だの愛だの、世間の、誰かの真似事だった。
多分。
冷めた何かは、酔いがぬるくしていく。
「ユーキさんも大分酔ってるみたいですねぇ。顏が真っ赤だ」
俺はどうだろう。けれどユーキ君は気づかないだろう。
自分の話で、事でいっぱいいっぱいだ。
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