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・・・痴話喧嘩? びしょ濡れの男の人のシルエットが、やけに寂しげに見えて。 女の人に振られた男の人、そう思えた。 ・・・私には関係ないことだ。 そう思ってるのに。 なぜだか、カーテンを閉めてしまうことができなくて。 ・・・関わらない方がいい。 私の中の本能が、私に忠告してる気がしたのに。 「・・・大丈夫ですか」 気が付いたら私は傘を手に外に出ていて。 男の人の前に立っていた。 「・・・大丈夫」 こっちを向かずにそう呟いた男の人は、とても大丈夫そうには見えなくて。 「良かったら、これ・・・使って」 傘を差し出すも受け取ってくれないその人に・・・ 「それか、私の家、あそこなんですけど」 気が付いたらそう言っていて。 「タオル使ってください」 見ず知らずの男の人を家にあげるなんてどうかしてる。 ましてや、こんなわけありそうな人を・・・
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