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夕食になっても、錦夜の心臓は激しく鳴りっぱなしだった。
食欲もなく、大好きな林檎にも手をつけない様子を心配し、兄弟達は代わる代わる声をかけたが、錦夜は『大丈夫だよ』と言うだけじゃった。
(なんか……僕、変だ…今まで肉食じゃなかったし、あんなに果物が好きだったのに…大好きな林檎が美味しそうに見えない)
錦夜はある日の深夜、一人暮らしの幼馴染み・ジンメンカメムシの陸羽(ロッパ)のもとを訪れた。
陸羽は友達の中でも一番大きく逞しい体をしており、毎年行われる相撲大会では優勝候補に常に名を連ねておった。
「こんな夜中におまえ一人か?心配性の兄弟達がよく出してくれたな」
褌一丁で出てきた陸羽は、汗ばんだ体を掻きながら錦夜を中に入れてくれたんじゃ。
「陸羽…僕、おかしいんだ。助けて……」
「ど、どうしたよ?」
「体がウズウズして……おさまりがつかない」
帯を解き錦夜は着物を脱いだ。
隠すことなく素っ裸になった錦夜に、そしてそそり勃つ汚れを知らない幼子のような色をした中心を見せられ、陸羽は言葉も出ない。
「僕、気がついたらずっとこんなで…余計な心配をかけちゃうから兄弟にも聞けないし……なのに、どうすればいいのかわかんない……」
「え…と……弄ってヌケば?」
「ヌク?何を?それって簡単なことなの?」
必死に訊ねる錦夜の様子に、陸羽の頭に邪な考えが湧いた。
(こいつは、何も知らないのか?まあ、無理ないか。あの兄弟達に守られ過ぎて世間知らずの無知のまま。くくく……なら、俺の色に染めてしまえば…)
舌舐めずりをし、陸羽は目に雄の光をギラつかせる。
「なあに、俺が助けてやるよ。俺達ゃ幼馴染みじゃねえか。だろ?」
「ありがとう、陸羽」
「最初はちょこっと痛いかも知れねえけど、じきに慣れるから。でも一日やそこらで治るもんでもねえから、俺と末長く付き合っていこうや」
陸羽の手が錦夜の腰を抱き寄せた。
「力を抜いて、俺に全部任せろよ」
「うん……お願いするね」
何も知らない錦夜は素直に喜んだんじゃ。
「さあて、始めるか……」
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