無機物の僕は彼女ことが気になっている

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元カノとの別れから一ヶ月。僕が通う港学園高等学校では僕と元カノの破局報道が広まり、いろんな憶測や真実がねじ曲がった噂などが休み時間を潰す格好の話題となっている。 三階のベランダの手すりに肘をついて空をぼんやりと眺める僕は疲弊していた。 「マルさん、他人の別れ話がそんなに面白いかな」 「そりゃそうだろニッキー。だって相手は学校一の美人女子高生だぜ?完全にギャルゲーだったら王道ルートじゃん」 ニッキーとは僕――二石聖(ニセキセイ)であり、マルさんとはこの二次元オタク野郎である丸一悠太(マルイチユウタ)である。 「だってしょうがないだろ、あっちから別れ話を振られたんじゃ」 「はい、言い訳おつでーす」 なんかイライラする。別に言い訳ではなく真実を言ったまでだ。 「お前さ、本当に彼女のことが好きだったのか?」 「そうだね」
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