無機物の僕は彼女ことが気になっている

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確かに僕が何故学校一の美人女子高生に告白をし付き合ったかと言うと、ただ恋愛とはどういうものなのか知りたかった。 「好きじゃなかった」 「お前のそういうハッキリしてるところ尊敬するわ」 本当に初めて恋愛というものを体験してみたが、ときめきや心拍の上昇といったドキドキもなかった。そもそも僕は彼女ことが好きじゃない。 「お前・・・まさかホモじゃ」 「ホモじゃない」 即答で否定した。そう言われてもしょうがないと自分を戒めるが僕はそっちの気はない。 「恋愛って時間の無駄だ」 「さぁ、非リアルワールドヘ旅立とうではないか」 「そんな世界にいるからお前はリアルに彼女ができないんだろ?」 リア充死ねと激昂したマルに言われると同時に昼休みを終えるチャイムの音が学校中にこだました。 授業中、先生が黒板にチョークで教科書の内容を書き写している音が教室中に響くなか、僕の前の席の男とその隣の女がいちゃついている。どうやらカップルらしく、僕はただそのカップルのやりとりを平然と眺めていた。 恋愛とはこういうものなのか。人生の中で誰しもが抱く恋心というものを僕は抱いたのだろうか。 僕には分からない。元カノにも分からない。誰しもが僕の心の様子を見ることはできない。つまりは形の無いものを確認の仕様がない。
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