無機物の僕は彼女ことが気になっている

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悪人面の男を持ち上げたまま後ろを振り向くとそこには夕日を浴びた天使がいた。 と思うぐらい白いワンピース姿の彼女の茶色い髪はふんわりとしていて宝玉のような茶色い瞳は人形のような可愛いらしさがあった。 「だからですね。離してあげてはくれませんか?」 呆然と突然現れた彼女に見とれていた僕は我に戻り、悪人面の男の胸ぐらを離した。 悪人面の男は尻餅をついて一瞬痛がっていたが、スクールバックを置いて化物から逃げるような慌てようで何処かに立ち去った。 「ありがとうございます」 「あっ、いえいえこちらこそ」 深々と頭を下げる彼女を見て何故か僕も深々と頭を下げてしまった。 何で僕は頭を下げているのだろうかと疑問を感じて顔をあげると、彼女も丁度顔をあげたらしく顔と顔の距離は10センチくらいの近さになっていた。
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