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「うっ..いた....くねぇ!?どうなってやがるんだ!?」
辺りを見渡すと、俺が車に轢かれたはずの街灯の灯りだけの暗く狭い十字路の面影はなく、
代わりに見たことない色の花や形容しがたい形をした生き物がそこら中を闊歩していた。
「な....なんじゃこりゃあああああああああああああああ!!!!!!!!」
気が付くと俺は、この変な世界の地平の彼方まで届きそうな大声をあげていた。
当たり前だ、死んだと思ったらいきなりこんな訳のわからないことになってるんだ、
大声の一つや二つ自然と出てしまうに決まっている。
「やぁやぁ~君、もしかしてこの世界の生き物じゃないのかな~?」
また訳のわからない生き物が出てきた....
必死にこの生き物?物体を形容するなら絵で書きやすそうなまんまる頭のたぬきみたいな感じだ。
「あー、何かで聞いたことあるわ、人間マジで対処できねぇ事に出くわすとフリーズ通り越して冷静になるってな...」
「ん~いきなりどうしたの~?大きな一人言言って~」
悔しながらこの変なものに言われて気づいたのだが、俺はどうやら一人言が大きくなってしまうようだ。
「って、てめぇに対処できねぇから一周回って冷静になってんだろうが!!ぶん殴んぞ!!」
「あはは~全然冷静じゃないね~冷静なら普通殴るとか言わないよ~」
「確かにてめぇの言い分は最もだが..まぁいいや、とりあえず聞きてぇんだがここはどこなんだ?俺は事故って死んだと思ってたんだが...」
「ここはヤ・オーキンのリスト皇国の外れのもりだよ~ついでに僕は名前はないんだけどみんなからはうましもんって呼ばれてるよ~」
とにかくこいつのおかげでわかったことが3つある、
変な生き物がいたり聞いたことない国が出てきたりで俺が元いた世界とは違うって事。
聞いたことを素直に話してくれるこのうましもんとやらは敵ではないと言う事。
そして最後に聞いてもいないこのものの名前のせいで俺の手にあったはずのうまし棒がなくなっていることである。
「うわああああ!!俺のうまし棒がなくなってるううぅ!!おい!!うましもんとか言うやつ!!俺のうまし棒探し手伝え!」
「うまし棒ってまさか....そんなはずないか....まぁいいよ~僕も暇だったし~」
こうして変な生き物うましもんと俺のうまし棒探しが始まった。
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